紛争解決に役立つ情報源&相談先
■多様なADR機関現在、わが国には、裁判所(民事調停・家事調停)や行政機関(建設工事紛争審査会・公害等調整委員会など)、弁護士会(仲裁センター、日弁連交通事故相談センターなど)、社団法人、民間には、多様な形態の紛争解決の機関があります。こうした機関を活用して、訴訟によらず、紛争を公平迅速に解決できるとしたら、紛争当事者にとっては有益なことです。こうした目的から裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)が制定されました。「紛争に応じて相談から仲裁をする機関までこの法律で認証制度が導入され、法務大臣から認証を受けた和解の仲介の民間事業者(認証仲介事業者)は、報酬を得て仲介の業務を行うことができます。ただし、認証を受けるかどうかは、民間事業者の判断に任せられ、認証を受けない民間事業者も無償で裁判外紛争解決手続きを行うことができます。日本司法支援センター(愛称=法テラス)司法制度改革の一環として「総合支援法」が制定され、「日本司法支援センター」(法テラス)が誕生しました。法テラスの業務の概要は、①弁護士、司法書士、地方自治体、各種の相談機関等とネットワーク化し相談に応じる②全国に事務所(地裁の本庁所在地など)を設け、関係機関と連携して相談窓口を整備③司法過疎といわれる地域では、日本司法支援センターの弁護士が法律サービスを提供などとなっています。具体的には、トラブルに巻き込まれて誰に相談してよいのか分からないときに同センターに相談すれば、無料で役立つ情報の提供や適切な相談先の紹介など解決の道案内をしてくれます。インターネットによる情報提供も行われています。また、お金がなくて訴訟を起こせないときなど、民事扶助制度により支援(弁護士や司法書士費用の立替え等)が行われます。このように、同センターに相談すれば、的確な情報と解決へのアドバイスがなされますので、解決への早道といえます。■紛争が起きたら、すぐに相談を・紛争の多くは、相談さえすれば、解決が容易な場合が多くあります。例えば、消費者金融からの借金で生活苦に陥った場合、早めに相談すれば借金の額も少なく業者との交渉だけで解決するかもしれません。あるいは事件によっては、法律に無知であり、そのため誤解を生じていたり、または感情的になっているために解決できないといった場合もあるでしょう。こうした場合、専門家のアドバイスを得れば、早期に解決するかもしれません。紛争が起きた場合には、早めに相談することから始めてください。