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浮気調査知識

夫婦の財産は誰のもの?【家族構成】夫:会社員 58歳妻:専業主婦 52歳長女:会社員 24歳次女:大学生 21歳【キーワード】専業主婦、価値観の相違、定年後、別居、年金、財産分与

夫婦の財産は誰のもの?【家族構成】夫:会社員 58歳妻:専業主婦 52歳長女:会社員 24歳次女:大学生 21歳【キーワード】専業主婦、価値観の相違、定年後、別居、年金、財産分与

相談者の佳代子さんは、幼いころに両親が離婚し、だいぶさみしい思いをしたことから、「自分は絶対に離婚はしない」と決め込んでいました。結婚は27歳のとき。女手一つで育ててくれた母親からは、大卒で堅実な会社に勤めていること、まじめで浮気しそうにない人、と結婚相手の条件を挙げられたそうです。夫とは、仲良しの友人の紹介で知り合いました。「夫は一流私大を卒業して中堅のゼネコンに就職し、同期のトップを走る出世頭でした。彼の近くで働いていた友人からも仕事ぶりは几帳面だと聞いていましたし、私から食事やデートに誘ったりして積極的にアプローチしたんです」半年ほどの付き合いの後、めでたく結婚に至ります。ところが、結婚生活を始めた当初から、夫には違和感を覚えたといいます。ちょっと口答えをしようものなら、「誰に対してそんな物言いをしるんだ」「おまえはおとなしくいわれたことをすればいい」「誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ」夫の口をついて出てくるのはいつもこうした言葉でした。佳代子さんはそのうちに反論する気力さえも失っていきました。財布もすべて夫が握っていたとのこと。「夫が毎月いくら給料をもらっているか知りませんでした。私は生活費として毎月3万円渡されるだけで、子どもが生まれてからは服やおむつ、ミルクにかかるお金を何とかひねり出していました。自分のおしゃれにまわすお金などまったくなくて、お化粧もできなかったほどです」佳代子さんは一切浪費をしていないのに、それでも夫は家庭生活にお金がかかることを理解できなかったそうです。3万円の生活費をギリギリやりくりしているにもかかわらず、何に使ったのか細かく聞いてきたといいます。「俺の金をどんどん使いやがって、という感覚だったのでしょうね」「どうしてこんなにがまんしなければいけないの?」と思いながらも、そんなことを口に出そうものなら、思い切り言い返されるのは目に見えていました。離婚はしない――。自分の中の決め事が余計に佳代子さんを縛っていたのです。二人目の子どもである次女が小学校に上がったとき、佳代子さんはひそかに就職先を探し始めました。経済的な理由はもちろんでしたが、もともと社交的な佳代子さん、自分自身のこれからの人生を考えたときに、もっと外に出て多くの人とつながり、もっと広い視野を得たいとの思いも強くもっていたのです。ようやく就職先が決まり、意を決してそのことを夫に話すと、「何を勝手なことしてるんだ。おまえは家にいて、家庭を守るのが仕事。子どもたちに何かあったらどうするつもりだ」まったく取り合おうとしてくれず、引き下がるしかありませんでした。夫はとにかく仕事一筋。家のことは一切佳代子さんにまかせっきりで、家では自分の書斎に入ったまま出てこようともしません。日曜日になると接待ゴルフ三昧で、二人の子どもたちとの会話もほとんどなかったそうです。仕事以外の唯一の関心事は、株や不動産をはじめとする金融資産への投資でした。佳代子さんはそうした話にうとく、共通の話題がないために、夫との会話もほとんどすることがなかったといいます。長女がもうすぐ大学を卒業、というころ、さらに佳代子さんを悩ませる問題が出てきました。それは夫の両親のこと。義父母は二人で暮らしていましたが、ともに80歳を超え、将来の生活の不安を佳代子さんに打ち明け始めたのです。夫は長男。何かあれば長男の嫁として、面倒を見なければならなくなることは目に見えていました。ところが、肝心の夫がどこでも頼りになりません。「正月に夫の実家に帰っても夫はフスンとしても何もしゃべりません。いつも両親の相手をするのは私の役目でした。もし、病気やケガで介護をすることになったらと考えるとゾッとしました」義父母の今後のことで一度、夫に相談をもちかけようとしたときも、「今からそんなこと考えたってしょうがない。何か起こったときに考えればいいんだ」の一点張り。佳代子さんは常に板ばさみの状態で、そのことを考えると逃げ出したくなるほど不安だったといいます。本来は、夫が中心となって考えていかなければならないことなのに、問題を先送りするばかり。「もしものことがあって、私が介護に専念することになったら、私の人生はいったい誰のためにあった、といえるのだろう……」そう考えると、居ても立ってもいられず、いよいよ「離婚」の二文字が頭をよぎるようになってきました。精神的に追い込まれた佳代子さんはある日、心の中で張り詰めていた1本の糸が切れたように、夫との決別を意識し始めます。自分の悩みや苦しみを理解せず、また、気づいていたとしてもなんら具体的な行動を起こそうとしない夫との生活に、「いいかげんうんざりした」のです。夫は58歳。会社はいったん退職し、子会社の役員を務めています。その任期もあと2年。それまで自分を召使いのように使ってきた夫が常に家にいることになると考えると、どうしても耐えられませんでした。そしていよいよ、夫との生活に見切りをつけたのです。そこで、思い切って離婚を切り出してみました。ところが、夫の返事は思っていた以上に、あっさりしたものでした。取り乱すこともなく、「それなら好きにしたらいい、その代わりこの家には戻ってくるな」という答えでした。佳代子さんは、「内心は離婚したくなくても、夫のプライドが許さなかったのでしょう。長年さげすんできた私に対して、くやしい気持ちをあらわにすることさえできないなのです」娘たちに事情を説明し、いったんは長女夫婦の家へ転がり込んだ佳代子さん。佳代子さん名義の預貯金はほとんどなく、働きに出なければいけないことなどを考えると不安でした。そして、あるとき離婚経験のある友人に相談してみたところ、離婚時の財産分与には2分の1ルールというのがあるという話を聞きました。夫婦の共有財産についてはそれぞれの寄与割合を同等と考え、きっかり半分に分けるという決まりです。その話を聞いて、佳代子さんは夫の財産を徹底的に調べ上げよう、と決めました。書斎の引き出しに入っていた預貯金通帳や株の取引報告書を取り出し、おおよその預貯金と株の時価を洗い出したのです。自宅が今ならいくらくらいで売れるかも不動産業者に見積もってもらいました。預貯金、有価証券、自動車、不動産などを合わせておおよそ6000万円の資産になることがわかりました。つまり佳代子さんはこのうちの半分、おおよそ3000万円を受け取れることになります。これに結婚期間中に積み立てていた年金についても半分受け取る資格があります。満を持して夫を呼び出した佳代子さんが財産分与のことについて切り出したとたん、夫の表情がみるみるうちに変わっていくのがわかりました。財産分与に2分の1ルールがあることなどまったく知らなかったのでしょう。「俺はどうしても別れたいと思っているわけじゃない。定年まであと2年。その後にでもゆっくり旅行に行こう。もう一度やり直せるんじゃないか」佳代子さんはあまりの豹変ぶりに驚くとともに、とまどいました。心の中では離婚を決めていたのですから。「自分が働いて得た給料なのだから、すべて自分のお金になると思い込んでいたようなのです。それが耐えられなかったのでしょう」もちろん佳代子さんの離婚の決意が揺らぐことはありません。夫はといえば、その日以来、「離婚はしない」というばかり。一日でも早く自分の人生を取り戻したいと考えている佳代子さんは、早期の決着を望んでいます。